
教員の4人に3人が土日も仕事をしている。教員を対象とした働き方に関するウェブアンケート調査で、そんな実態が浮かび上がった。持ち帰り残業をしているのは7割で、1時間を超えて持ち帰りをしている人も3割いた。調査の担当者は「必要なのは教育予算と教員の抜本的な増加だ」としている。
調査は全日本教職員組合(全教)が4~7月にオンラインで実施。繁忙期ではない時期の残業の有無や時間、持ち帰りの有無などを尋ね、40都道府県の小中高校の教員ら1200人から回答があった。
土日も仕事をしていると回答したのは全体の75%。労働時間が1時間を超えたのは59%で、4時間超は17%いた。中高で部活動指導、小学校では授業準備などの多さが影響したとみられる。
持ち帰り残業については71%の教員がしており、費やす時間は1時間以内が40%、1時間超が31%だった。内容は「翌日の授業や単元の準備」が59%で最も多く、「校務分掌」が24%、「児童生徒の提出物やテストの添削・確認」が21%だった。
定時に出退勤し、持ち帰り残業も土日の仕事もないと回答したのは全体のわずか0・9%の11人だった。
2025年の通常国会では学校教育法が改正され、教員間の調整や若手教員の指導を担う役割として「主務教諭」の制度を創設。都道府県・政令市の判断で導入できるようになった。
全教は「主任教諭」の名称で同様の制度を先行して導入している東京都と他道府県で調査結果を比較。その結果、持ち帰り残業をしている割合は東京の教員の方が多く、土日の仕事も東京の方が長時間になる傾向があった。
全教の担当者は「主務教諭の導入によって業務を効率的に行うことが可能になるとはいえない。教員を増やして少人数学級化を進め、1人あたりの業務量を削減すべきだ。国が責任をもって教育予算を増やし、教育条件整備を行う必要がある」と指摘した。【斎藤文太郎】
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