
【ワシントン=川上梓】米電気自動車(EV)大手のテスラは8日、米南部テキサス州ヒューストンで2026年後半から大型蓄電池の生産を始めると発表した。米国は人工知能(AI)需要の増加でデータセンター向けの電力需要が増えている。欧米や中国など世界でEV販売が苦戦する中、蓄電池などエネルギー事業を強化する。
同日開催した大型蓄電池「メガパック」に関する説明会で明らかにした。メガパックは太陽光発電所などで採用が進む大型系統用の蓄電システムで、送配電の安定化を支援する。蓄電性能が高いのが特長だ。
新工場はヒューストン近郊に建設中で、年間50ギガ(ギガは10億)ワット時を生産する。米国のメガパック工場は3カ所目となる。テスラは投資額を明らかにしていないが米メディアによると約2億ドル(約300億円)程度と見られる。
生産する蓄電池は「メガパック3」で、同社の従来製品に比べて建設コストが4割削減でき、設置時間も2割減らせる。電池セルは米国、東南アジア、中国から調達する。同日、蓄電池を変圧器や開閉装置と統合した貯蔵製品「メガブロック」も発表した。
テスラはEVを販売する自動車部門が売上高の約7割を占めるが、苦戦が続く。主力の米国では8月のEV販売シェアが約8年ぶりに40%を下回った。蓄電池などエネルギー事業を強化しており、2月に中国・上海市でも大型蓄電池工場の稼働を開始した。
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