8月28日、ハワイのホノルル発 中部空港行きの便に乗務する予定だった日本航空の機長が、宿泊先のホテルで社内規定に違反して酒を飲み、乗務予定の便など、合わせて3便に最大で18時間余りの遅れが出ました。
日本航空では、去年12月にも、パイロット2人が過度な飲酒をしたうえ、口裏合わせをして隠蔽したなどとして、国土交通省から業務改善勧告を受け、再発防止策として滞在先での飲酒をすべて禁止していました。
国土交通省は10日午前、日本航空の安全対策を統括する中川由起夫常務を呼び、航空局の石井靖男安全部長が「昨年から繰り返し飲酒事案が発生していることは、社員一人ひとりに安全意識が徹底されていないと言わざるをえない」と述べて、厳重に注意しました。
そのうえで、再発防止策を検討し、9月末までに文書で報告するよう求めました。
これに対し、中川常務は「ご指摘いただいた内容を極めて重く受け止め、抜本的な再発防止策を迅速に進めてまいります」と述べ、謝罪しました。
日本航空をめぐっては、おととし11月から去年5月にかけても、管制官からの指示が出ていないにもかかわらず、旅客機が滑走路を横断したり、国際線の機長が滞在先のホテルで酒に酔って騒ぎ、搭乗予定の便が欠航したりするなど、
合わせて5件のトラブルが起き、去年5月に厳重注意を受けています。
日本航空 社長が陳謝
国際線の機長の滞在先での飲酒をめぐって、国土交通省から厳重注意を受けたことについて、日本航空の鳥取三津子社長は会見で「去年12月から業務改善勧告を受けて対策を進めている中にもかかわらず、このような事態を招いたことを極めて重く受け止めています。大変ご迷惑とご心配をおかけしたことを心より深くおわび申し上げます。申し訳ございません」と述べ、陳謝しました。
また、乗務員の飲酒の問題が繰り返し起きていることについて、鳥取社長は「対応が甘かった。乗務員の監視をしてきたが、本当の意味で管理ができていたかというと、最終的には健康管理の部分まで見きれていなかった。リスクの高い人を見逃していたところがあった」と述べました。
そのうえで、今回、滞在先で飲酒した機長については、近く懲戒解雇の処分にすることを明らかにしました。
会社は再発防止策として、乗務員の飲酒に関する管理、監督については、従来よりも健康管理のデータを重視した基準に見直し、この基準にもとづいて、飲酒リスクが高いと判断した場合は、乗務に就かせないようにするとしています。
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