日機装が宮崎市に建設を予定していた工場の外観イメージ

日機装は10日、宮崎市で予定していた人工透析に使う医療機器の工場建設を中止すると発表した。国内向けの供給体制強化を目指していたが、資材価格の高騰や設備構成の見直しで設備投資額が想定を上回ったため。タイとベトナムの海外工場で需要を補う。

新しい工場で生産を予定していたのは透析用の血液回路。治療の度に交換する必要のある消耗品で、国内では年間5000万本以上が使われている。日機装はうち約半数を供給している。新型コロナウイルス禍で供給不安が生じたため、73億円を投じて国内に工場を新設すると2021年に発表していた。

今後はタイとベトナムの既存工場を生かして安定供給を目指す。タイでは日本向けの製品在庫を積み増す。ベトナムのクアンガイ工場では25年7月に規制当局の承認を取得し、日本向けの輸出体制を構築した。

今回の建設中止が業績に与える影響は軽微だとして、25年12月期の業績予想は変更しない。

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