農林水産省は、毎年、7月下旬ごろに向こう1年間の主食用米の需要見通しを公表していますが、実態とかけ離れたことがコメの不足や高騰の一因となったという指摘があり、見直すために公表を見送っていました。

関係者によりますと、農林水産省は近く審議会を開いて、新たな案を示す方向で調整に入ったことがわかりました。

この中で需要量は、去年7月からことし6月までの711万トンに対し、ことしから来年までの同じ期間は697万トンから711万トンと横ばいか減少する見込みとなっています。

これまで需要見通しは、人口や1人あたり消費量が減少していることから、毎年10万トン落ち込む前提で算定していました。

しかし、見通しが実態とかけ離れているという批判を受けて、今回は増加している外国人観光客の需要のほか、1人あたりのコメの消費量について直近5年の平均値や最大値を考慮し、幅を持たせて公表することになりました。

政府はコメの不足を受けて、増産にかじを切る方針を打ち出していますが、需要の伸びが見込めない中で大幅に増産した場合、むしろ過剰になりうることから、今後、どの程度増産するかをめぐって議論になりそうです。

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