ヘリカルフュージョンの田口CEO㊥は菱輝金型工業と業務提携を発表した(11日、愛知県一宮市)

核融合を使った発電技術を開発するHelical Fusion(ヘリカルフュージョン、東京・中央)は11日、磁場を生み出すための高温超電導コイルを収納する「コイルケース」の実験用部品を報道陣に公開した。核融合反応を起こすために欠かせない部品の一つで、数年以内に完成予定の最終実験装置に搭載する計画だ。

同日、航空機部品の金型製造などを手掛ける菱輝金型工業(愛知県一宮市)と業務提携すると発表した。コイルケースの開発などで既に協業しており、実験部品製造に向けて連携を強化する。

ヘリカルフュージョンは愛知県主催のディープテック推進事業の参加企業に採択されている。県が拠出する研究開発費約4000万円を活用。熱を取り出したり、発生する中性子をとじ込めたりする装置「ブランケット」の開発に両社で取り組む。

ヘリカルフュージョンは2030年代の実用化を目標に、投入したエネルギー以上の電力を安定的に取り出せる核融合炉の開発をめざす。記者会見した田口昂哉最高経営責任者(CEO)は「核融合炉(開発)は色々な技術の集積だ。愛知県内を含め様々な会社と提携したい」と話した。

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