旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは12日、カーケア製品大手のソフト99コーポレーションに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ソフト99はすでにMBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を表明しているが、エフィッシモは「少数株主利益が保護されていない」とし、MBOを6割超上回る買い付け価格を提示した。
TOB期間は16日から10月29日まで。1株4100円で、発行済み株式数の92%(2055万8683株)を取得するとした。総額は約842億円にのぼる。買い付け予定数の下限(616万3300株)に満たない場合はTOBは実施しない方針だ。
エフィッシモはTOBの理由について、ソフト99によるMBOの買い付け価格である1株2465円が「PBR(株価純資産倍率)1倍を下回る著しく割安な水準」と指摘。「中長期的な企業価値向上を確保しつつ、少数株主の利益を保護する」ことが目的としている。
ソフト99は8月に同社の田中秀明社長が株式取得などを目的に設立した堯アセットマネジメント(大阪市)によるTOBを通じ、株式を非公開化すると発表していた。TOB期間は8月7日から9月19日で、TOBが成立すれば上場廃止となる見込みだった。
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