
15日は「敬老の日」。シニア世代になっても働く意欲が高い人は多いようだ。スキマ時間で働くアルバイト仲介サービスを手がける「タイミー」(東京都港区)によると、働く60歳以上の人は前年から倍増し、働いた最高齢は90歳だったことが分かった。
タイミーを通じて働く60歳以上は、2025年4月時点で約30万8000人で、前年同期の1・9倍となった。うち、1080人にアンケート調査したところ「働いている、働いたことのある職種」のトップは「軽作業」(61・3%)。「飲食」(35・9%)、「ホテル」(16・9%)が続いた。
働く理由(複数回答)としては、「自宅から通いやすい場所で働ける」(43・6%)、「空き時間を有効活用するため」(39・7%)が上位にランクイン。また「適度に体を動かすことによる健康維持のため」は19・7%の人が該当すると回答した。
「何歳くらいまでスポットワークをしたいか」との質問では「働けるうちはいつまでも」(40・3%)が最も多く約4割に上った。働いた後の感想(複数回答)について「気分転換になった」(61・3%)、「人の役に立てることに喜びを感じた」(30・1%)と肯定的な意見が集まった。

愛知県の67歳の利用者は「この年になって初めてコンビニで働いた。今では楽しくて週1回程度働かせてもらっている」。鹿児島県の70歳の利用者は「仕事先で外国人の技能実習生と知り合い、仕事以外でも交流することができるようになった」と答え、仕事が生活の質を高めている様子がうかがえる。
一方、「タイミーを利用する前に就業先を探したときの結果」について尋ねると、「希望する仕事が見つかった」とする人は51・9%と半数程度にとどまった。続いて「仕事は見つけたが希望する仕事ではなかった」(26・4%)、「仕事を全く見つけることができなかった」(21・8%)と回答。人手不足の時代だが、仕事探しに苦労するシニアは多いことが浮き彫りになっている。
タイミーを利用してシニアの働き手を受け入れた事業者57拠点へのアンケート調査も実施。「タイミーでマッチングしたシニア人材を長期採用したいと思ったか」との問いには、29・8%が「長期採用したい」と回答している。
調査は8月下旬にインターネットで実施した。【嶋田夕子】
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