
婚礼大手のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)は16日、障害を持つアーティストの作品を展開するヘラルボニー(盛岡市)と共同開発した結婚式の新プランを発表した。ヘラルボニーが契約する作家のアートをモチーフに、T&Gのプランナーが結婚式の会場装飾や料理をデザインする。
新プラン「アートウェディング」は16日から予約の受け付けを始め、価格は招待者60人の挙式・披露宴をT&Gの式場「ニーズ青山」(東京・港)で開く場合で598万円から。まずは都内の7会場で始め、今後は他の会場にも展開を目指す。

プランを利用する顧客は、ヘラルボニーが作品を扱う5人のアーティストの作品から1つを選ぶ。T&Gのウエディングプランナーは、その作品を参考に演出を立案。作家の絵の一部を招待状に印刷したり、会場の装飾や料理に作品の色使いを取り入れたりする。
16日の発表会では、ニーズ青山の披露宴会場をアーティストの伊賀敢男留(いが・かおる)氏の絵画「旅の夢」から着想した装飾で演出した。作品の色使いに合わせて、卓上の花や天井からつるす布には濃淡の違う青を使った。

T&Gの金香憲吾執行役員は「アートには作者の人生がクリエーティブを通して現れる。ウエディングも、ふたりの価値観や思い出が表現される一日という点で共通している」と話す。
ヘラルボニーは障害を持つアーティストと契約し、その作品知的財産(IP)を使ってアパレルメーカーなどとの商品開発に取り組んできた。アーティストには、IPの使用料が入る仕組みだ。同社が婚礼事業社と商品を開発するのは初めてだという。
ヘラルボニーの松田崇弥共同最高経営責任者(Co-CEO)は結婚式への列席にハードルを感じる障害者が多いことにふれ「(結婚式は)いろいろな人が参加してよろこびを分かち合える場だということを示すムーブメントにもなる」と期待を語った。
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