
芝浦電子は16日、同社に対して台湾の電子部品大手の国巨(ヤゲオ)が実施しているTOB(株式公開買い付け)に賛同すると発表した。ヤゲオのTOBへの意見を留保から変更し、株主にヤゲオTOBへの応募を推奨する。ヤゲオは2月、芝浦電子の同意を得ないまま買収を提案していた。賛同意見を得たことで、ヤゲオによる買収が前進する。
ヤゲオは1株7130円でTOBを進めている。ヤゲオに対抗するホワイトナイト(友好的な買収者)だったミネベアミツミが12日、TOBの不成立を発表しTOB合戦から撤退。芝浦電子からの賛同を得たことでヤゲオによる買収の可能性が高まっている。
芝浦電子は当初、ヤゲオのTOBへの意見を反対とし、5月に留保に変更していた。両社はシナジー効果を検証するため、4月以降に日本と台湾で工場見学を含めた面談を4度実施した。面談などの結果を踏まえて「シナジーが実現可能」と判断した。
ヤゲオの欧米や中国の販売網を活用できるほか、ヤゲオの小型化技術や大量生産技術を活用した新製品開発が可能とした。センサーの生産拡大に向けた設備投資でもヤゲオによる支援の方針を確認した。
買収後の事業運営については、独立性のある経営判断や既存の事業計画を最大限尊重することで合意した。当初懸念していた地政学リスクについては「リスクの存在自体については否定できない」としつつ、ヤゲオが世界に製造拠点を展開していることなどから「限定的」とした。
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