
イギリスへの異例の2度目の国賓訪問となるアメリカのトランプ大統領は、18日、ロンドン郊外の首相の公式の別荘「チェッカーズ」で、スターマー首相と会談し、共同記者会見を行いました。
両首脳はAI=人工知能や量子コンピューターなど、先進技術の分野の協力で合意したことを成果として強調しました。
スターマー首相は2500億ポンド、日本円にしておよそ50兆円の取り引きが両国間で生み出されるとして、「記録的なことだ」と述べました。
一方、ウクライナ情勢をめぐり、スターマー首相が「ロシアのプーチン大統領に対する圧力を断固として強めるべきだと話し合った」と述べたのに対し、トランプ大統領は経済制裁など具体的な行動については言及せず、「原油価格が下がれば彼は戦争から撤退するだろう」と述べ、ロシア産の原油の購入を続けているヨーロッパの一部の国に対して不満を示しました。
また、ガザ情勢をめぐっては、イギリスがパレスチナを国家承認する方針を示していることについて、トランプ大統領は「首相とは意見が異なる」と述べて反対の立場を明確に示し、意見の隔たりがあらためて浮き彫りとなりました。
イギリス政府 米企業から30兆円投資確保と発表
トランプ大統領とスターマー首相の会談に先立ってイギリス政府は17日、アメリカ企業からイギリスへの投資としてあわせて1500億ポンド、日本円にしておよそ30兆円を確保したと発表しました。
このうち、アメリカの投資ファンド、ブラックストーンからはデータセンターなどに対して今後10年間で1000億ポンド、日本円にしておよそ20兆円の投資が予定されるなど複数の大手企業が投資を行うとしています。
スターマー首相は「これらの投資はイギリスの経済力の証だ。雇用や成長は働く人々に対して約束したものであり、今回の国賓訪問がまさにもたらしているものだ」と成果を強調しています。
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