
【ワシントン=野一色遥花】トランプ米大統領がエンジニアや研究者など高度な専門職向けの「H1B」ビザの取得にかかる手数料として、10万ドル(約1480万円)を課すことを計画していることが19日、わかった。米ブルームバーグ通信が報じた。外国人技術者を多く抱えるIT(情報技術)企業の採用などに影響を与える可能性がある。
トランプ氏は米国の労働者の雇用機会を奪っているとして就労ビザの制限を進めている。H1Bビザの現在の申請費用はケースによって異なるが、企業の場合、1000ドル前後が一般的だ。費用の増額で申請数を抑制する方針だ。
ブルームバーグによると、トランプ氏は労働長官に対し、ビザ発給を認めるための賃金水準も引き上げるように指示するという。発給条件を厳しくして、より賃金水準の高い人に対象を絞り込む。
H1Bビザは米国のITやコンサルティング企業などが高度な専門性を持つ従業員を海外から雇うために活用してきた。一時政権に関与した米起業家のイーロン・マスク氏は同ビザへの制限を厳しく批判してきた。発給の見直しは企業を中心に、大きな反発を招く可能性がある。
トランプ米政権はビザ申請費用の引き上げを進めてきており、7月成立した減税・歳出法(OBBB)では幅広い就労ビザに250ドルの「ビザ・インテグリティ料金」を課したばかり。
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