
【ワシントン、エルサレム=共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は19日、トランプ政権がイスラエルに対し60億ドル(約8800億円)近い巨額の武器売却を計画していると報じた。イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの攻撃やカタールでの空爆で国際的な非難を浴びる中、米政権のイスラエル支持の姿勢が改めて浮き彫りになった。
計画にはアパッチ攻撃型ヘリコプター30機や軍用車両3250台が含まれ、議会承認に向けて協議している段階で、同盟・友好国などへの軍事支援に使われる「対外軍事融資(FMF)」の枠組みを適用する見通しだという。
同紙によると、政権は計画について約1カ月前に米議会の有力議員らに説明し、9日のイスラエルによるカタール空爆後も承認を求めている。まだ正式に通知しておらず水面下で協議中という。
売却が承認されても実際の配備は数年後になるとみられる。
イスラエル軍はガザの中心都市、北部ガザ市の制圧を目指し攻撃を続けている。パレスチナ通信は20日、軍が避難者が滞在していたガザ市の学校施設を空爆し子ども2人が死亡したと報じた。ガザ保健当局は、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者が6万5208人、飢えや栄養失調による死者が442人になったと発表した。
トランプ大統領は、イスラエルによるガザのイスラム組織ハマス排除を後押しする一方、ハマス幹部を標的にした空爆が同盟国カタールで実施されたことに不満を表明。だが関係悪化に至らず、イスラエルのネタニヤフ首相は今月下旬にホワイトハウスでトランプ氏と会談する予定。
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