20、21両日に開かれた北朝鮮の最高人民会議に臨む金正恩朝鮮労働党総書記(中央)(平壌)=朝鮮中央通信・共同

【ソウル=小林恵理香】北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、最高人民会議(国会に相当)が20、21両日に開かれたと報じた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が演説し、米国が北朝鮮に非核化を要求せず、敵対姿勢を取らない場合は対話に応じる可能性があるとの考えを示した。

金正恩氏は「米国が非核化への執念を捨て、現実を認めたうえで我々と真の平和共存を望むなら、我々も米国と向き合えない理由はない」と述べた。非核化は「絶対にない」と断言し、「選択権は彼ら(米国側)にある」と語った。

トランプ米大統領は年内の米朝首脳会談の実現に意欲を示す。金正恩氏は演説で「個人的にはトランプ氏に良い思い出を持っている」と語った。韓国については「最も敵対的な国家」と指摘。「一切相手にしないことを明確にする」と述べ、対話に応じない姿勢を強調した。

今回の最高人民会議では韓国を「敵国」と位置づける憲法改正の動向などが焦点となっていた。金正恩氏は「我々と韓国は決して1つになることのできない2つの国家であることを国法で定めるだろう」と述べたが、議題にはあがらなかった。

6月に発足した李在明(イ・ジェミョン)政権は北朝鮮に強硬な立場だった尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権から方針を転換し、関係改善を狙う。金正恩氏は9月に実施された米韓の合同演習などに触れ、李在明政権は前政権と比べ「本質的には変わっていない」と指摘した。

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