岩屋外相

岩屋毅外相は22日(日本時間23日)、訪問先のニューヨークでパレスチナの和平を議論する首脳級会合に出席する。フランスや英国などパレスチナを国家承認する動きに追随せず、独自の立場でイスラエル、パレスチナ双方と対話を続ける考えを説明する。

国連総会に並行してフランスとサウジアラビアが主催した「2国家解決ハイレベル会合」で発言する。仏英などが国家承認を正式に表明する一方、米国は承認に否定的で、主要7カ国(G7)内でも見解が割れる。

岩屋氏は訪米に先立つ19日の記者会見で、国連総会にあわせたこのタイミングでは国家承認を表明しないと発表した。イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を実現するうえで、最善の選択肢ではないと判断した。

日本はイスラエル、パレスチナ自治政府の双方と対話のチャネルを維持してきた。岩屋氏は19日にも双方の外相、ルビオ米国務長官の3人とそれぞれ電話協議した。イスラエルに一方的行為の即時停止を求め、米国にもイスラエルに働きかけるよう要請した。

日本政府内には「米国やイスラエルに働きかけを続けようとすると、承認しない状態の方が相手に響きやすい」との声がある。岩屋氏は19日の記者会見で「米国に追随したとの指摘はあたらない」と強調した。

日本政府は国家承認を見送る一方、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの侵攻を非難している。イスラエルがパレスチナと共存する「2国家解決」実現の道を閉ざすような、さらなる行動を取るなら、国家承認やイスラエルへの経済制裁を検討する姿勢を示す。

ガザはイスラム組織ハマスが武力で掌握する。パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸しか統治できていない。日本はハマスの「テロ行為」にも非難を表明し、人質を解放したうえで武器をパレスチナ自治政府に引き渡すべきだとハマスに訴える。

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