
【香港=共同】香港の高等法院(高裁)は18日、香港国家安全維持法(国安法)違反罪に問われた民主派香港紙、蘋果日報(リンゴ日報=廃刊)創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(77)の公判を開き、実質的な審理が約5カ月ぶりに再開した。黎氏は4年半以上身柄を拘束されており体調が不良。支援者から健康状態を心配する声が上がった。
出廷した黎氏はやつれた様子で、傍聴席を見渡し支援者らの姿を探した。発言機会はなかった。
15日に検察側などによる最終弁論の日程が入っていたが、弁護側が体調不良を理由に黎氏不在での公判を要求。裁判所は認めず、具体的な審理は行われなかった。18日は心臓の状況を把握する装置をつけ公判に臨んだ。
黎氏は評論などの記事や米政治家との面談を通じて中国、香港への制裁を外国に呼びかけたとして国安法の「外国勢力との結託による国家安全危害共謀」の罪で起訴された。検察側は18日、制裁呼びかけが2020年6月30日の国安法施行の前であったとしても、共謀は施行後も続いていたと主張した。
傍聴に訪れた支援者の70代の女性は「黎氏は憔悴(しょうすい)していて倒れないか心配だ」と語った。
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