ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前週末比57セント安の4万4945ドル55セントで推移している。昨年12月の最高値(4万5014ドル)に接近し、高値警戒感から主力株に売りが出やすい。もっとも、週内は地政学リスクや金融政策を見極める上で重要なイベントが相次ぐ。積極的な売買は手控えられ、指数の方向感は乏しい。

トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は18日にホワイトハウスで会談する。欧州主要国の首脳も参加する。ゼレンスキー氏が2月にホワイトハウスを訪れた際はトランプ氏と公開の場で激しい口論になった。ロシアとウクライナの停戦に関する議論がどう転ぶか不透明で、投資家の様子見姿勢が強い。

週内はウォルマートなど小売り大手の決算発表が控えるほか、22日には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演する。市場ではインフレ圧力が根強い中で労働市場の軟化が意識されており、パウエル議長が今後の利下げ方針についてどのような認識を示すのかに注目が集まる。

ボーイングやセールスフォース、シェブロンが下げている。半面、スリーエムとエヌビディアが高い。前週末に急伸したユナイテッドヘルス・グループに買いが続いている。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイによる株取得が先週に判明し、他の投資家の追随買いが入っている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。

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