
【ソウル=小林恵理香】韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相は25日、北朝鮮が核兵器に転用可能な濃縮度90%以上の高濃縮ウランを最大で2トン保有しているとの推定を明らかにした。韓国メディアが報じた。
鄭氏はソウル市内の庁舎で開いたメディアとの懇談会で言及した。韓国メディアは高濃縮ウラン2トンという保有量はすべて核兵器に転用できる場合、最大で核弾頭100発分に匹敵すると指摘する。
統一省は米国科学者連盟(FAS)などの専門家による推定を参考にしたものだと説明した。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は24年に北朝鮮が高濃縮ウランを0.28〜1.5トン、核弾頭は50発保有していると推計していた。
北朝鮮は核戦力の拡大に意欲を見せており、24年9月に金正恩(キム・ジョンウン)総書記がウラン濃縮施設を視察する様子を初めて公開した。ウラン濃縮に使う遠心分離機の台数を増やし、兵器向けの核物質生産を強化する方針を示している。
鄭氏は制裁強化によって北朝鮮の核開発を止めることは難しく、米朝首脳会談での交渉が突破口になる可能性があるとも話した。北朝鮮は米国が非核化の要求を取り下げる場合には対話に応じる構えを見せている。
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