ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演した真家陽一氏

中国でデフレ懸念が一段と高まっています。8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月に比べ0.4%下落し、3カ月ぶりにマイナスとなりました。国内メーカーの間で「内巻」と呼ばれる激しい値下げ競争が続いており、物価の下落に歯止めがかからなくなるリスクを指摘する声も増えてきました。

物価が下がれば、企業の業績は悪くなります。賃金や設備投資の削減で需要が落ち込み、物価がさらに下がる。それこそ、かつて日本が経験したデフレスパイラルです。中国経済が専門の名古屋外国語大学教授、真家陽一氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し「中国経済はデフレスパイラルに近い状況になりつつある」との見解を示しました。

中国では不動産不況を背景にモノが売れず、深刻な需要不足に陥っています。にもかかわらず「内巻」の過当競争はやまず、供給は過剰な状況です。需要が足りないところに供給を増やせば、物価の下落は避けられません。真家氏は「中国経済は供給過剰と需要不足が重なり」デフレスパイラルの瀬戸際にあるとみています。

日本企業にとってはチャンスかもしれません。「失われた30年」と呼ばれたデフレの時代に培った低価格商品のノウハウが、中国でも生かせるからです。サイゼリヤは中国国内の店舗数を2倍の1000店規模に増やす方針です。真家氏は「コストパフォーマンスに優れた日本の商品には、デフレ下の中国で大きな商機がある」と指摘しています。

真家氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。

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(編集委員 高橋哲史)

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