イスラエル軍は、ガザ地区の最大都市ガザ市の制圧に向けて地上部隊を展開しているほか、南部でも攻撃を行い、28日の発表で過去1日におよそ140の軍事目標を攻撃したと主張しました。

一方この日、ガザ地区の地元当局はこれまでの死者が6万6000人を超えたと明らかにしました。

こうした中、アメリカのトランプ大統領は28日、SNSに「中東で偉大さを実現する本物のチャンスだ。これまでで初めて、特別なことのためにみんなが一致団結している。私たちは必ず成し遂げる!!!」と投稿しました。

トランプ政権は先週、国連総会にあわせてニューヨークでアラブ諸国などとの会議を開き、ガザ地区での停戦に向けた21項目にわたる案を示していて、29日にイスラエルのネタニヤフ首相との会談を控え事態の打開に期待を示したものとみられます。

一方でハマスは28日、「新たな停戦案は受けとっていない」としています。

停戦に向けた21項目の案の詳細は 米ニュースサイトが報道

アメリカのニュースサイト「アクシオス」などは、アメリカが先週、アラブ諸国などに示したガザ地区での停戦に向けた21項目にわたる案の詳細を報じています。

それによりますと、この計画には、ガザ地区に残されたすべての人質の解放や、恒久的な停戦、ガザ地区からのイスラエル軍の段階的な撤退、それに、イスラム組織ハマスを排除した形での戦後のガザ地区の統治計画が盛り込まれているということです。

また、アラブやイスラム諸国による治安部隊への参画や、復興に向けた資金援助を行うことも含まれています。

さらに、イスラエルのメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によりますと、ガザ地区の行政運営はパレスチナ人による暫定的な政府が担い、アメリカがアラブ諸国やヨーロッパ諸国と協議して設立する国際機関が監督する案が盛り込まれているということです。

米 バンス副大統領 目標達成に近づいているとの認識示す

中東情勢について、アメリカのバンス副大統領は、28日、FOXニュースのインタビューで「現在、アラブ諸国の指導者たち、イスラエル側、そしてトランプ政権の間で、非常に複雑な交渉が進行中で、この数日間、続いている。現在の状況は、過去数か月のどの時点よりも楽観的だと感じている」と述べました。

その上で、人質の帰国、ハマスによる脅威の除去、そして、ガザ地区への人道支援という3つの目標すべてを達成するところまで近づいているとの認識を示しました。

一方で、「現実的に考えれば、土壇場で頓挫する可能性もある。非常に期待しているが、慎重な期待でもある」と述べ、ぎりぎりの交渉が続いているという見方を示しました。

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