
【リビウ=共同】国際パラリンピック委員会(IPC)がロシアとベラルーシの国内委員会への資格停止処分の解除を決定したことを受け、ウクライナのビドニー青年スポーツ相は27日、地元メディアに、同国が次の冬季大会に参加するかどうかは「状況を踏まえて決定する」と述べ、ボイコットも辞さない構えを示した。パラ選手も「恥を知れ」と強く反発した。
来年3月のミラノ・コルティナ冬季パラリンピックで、ロシアとベラルーシは国としての参加が認められた。国旗や国歌の使用も制限されない見通しで、ウクライナは激しく反発している。
ビドニー氏はロシアの会員資格を問うIPC総会の投票で、ロシア側が賄賂をばらまいたとの見方を示した。「良心とパラリンピックの精神は、いくらで売り渡されたのだろうか」と皮肉を込めて非難した。
2016年のリオデジャネイロパラリンピックでウクライナ代表として金メダルを獲得した車いすフェンシングのアンドリー・デムチュクさんは「侵略国ロシアの国旗が掲げられるような大会で競技できるわけがない。IPCもロシア側についた多くの国も恥を知るべきだ」と話した。
ウクライナ・パラリンピック委員会幹部は共同通信の取材に「侵略国の資格停止に反対するIPCの関係者は、東部ドネツク州の前線を一度訪れるべきだ。パーソンズ会長もウクライナの現状を知らず、ロシアの肩を持っている」と非難した。
ウクライナ外務省も27日、X(旧ツイッター)で「ロシアのテロや殺人を助長する恥ずべき決定だ。戦争が終わるまで、ロシアとベラルーシの選手と国旗を国際大会から排除しないといけない」と訴えた。
ロシア・パラリンピック委員会の会員資格を問う総会の投票では、全面停止が賛成55、反対111(棄権11)で、部分停止が賛成77、反対91(棄権8)でいずれも否決された。
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