インド外務省は2日、中国との直行便の運航を10月中にも再開することで、両国の航空当局が合意したと発表した。直行便は、両国間の係争地で軍事衝突が起きた2020年以降止まっていたが、今年8月に中国で行われた両国首脳の会談で運航再開を確認していた。

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 一時は極度に関係が冷え込んだ中印だが、ビジネス面での関係正常化を望むインド経済界の求めもあり、昨年から緊張緩和に向けて徐々に歩み寄っていた。そんな中、トランプ米政権は8月、ウクライナ侵攻を続けるロシアから原油を買い続けるインドに対して、25%の追加関税を課した。これに反発したインドは、米国と対立する中国との関係改善の動きを加速。直行便再開は、一連の流れを象徴する動きだ。

 インドの格安航空会社IndiGoは2日、インド東部の主要都市コルカタと、中国南部の大都市広州を結ぶ直行便を、10月26日から毎日運航すると発表した。ANI通信が2日に伝えた。首都ニューデリーと広州間の路線も、近く再開予定だとした。

 インドのモディ首相は8月、約7年ぶりに中国を訪れ、習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。モディ氏は「相互信頼、尊重、思いやりに基づき、両国の関係をさらに強化していく」と話し、習氏は「中印関係を戦略的に大所からとらえ、健全かつ安定した発展を促す必要がある」と述べていた。

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