【北京=共同】香港紙の星島日報などは3日までに、中国外務省公式サイトのウクライナの国家概況を紹介するページから、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島に関する記述が削除されたと伝えた。中国はウクライナ情勢を巡り「中立」を強調してきたが、ロシアに配慮したとの指摘が出ている。
報道によると、以前あった「行政区画」「外交」などの項目が今年7月のページ更新までに削除された。行政区画については「全国24の州に分かれ、一つの自治共和国、二つの直轄市(首都キーウとセバストポリ)」と記載されていたという。
クリミア半島に位置するクリミア自治共和国とセバストポリは14年にロシアに併合された。外交の項目には「ウクライナはクリミアのロシア編入を拒否している」との記述があったとしている。
ロシアによるウクライナ侵略後、中国は23年に自国の立場を示す文書を発表。「各国の主権、領土の保全は保障されるべきだ」とし、ウクライナにも寄り添う姿勢を示していた。
星島日報は「中国がウクライナの領土保全を支持してきた立場を変えたことを示している」との専門家の分析を伝えた。
中国の習近平国家主席は先月3日の抗日戦争勝利80年の記念行事にロシアのプーチン大統領を招待し、主賓として遇した。対米共闘で結束するロシアとの関係は緊密さを増している。
米メディアによると、習氏は8月のウクライナ独立記念日に際しゼレンスキー大統領に祝電を送った。習氏の各国首脳への電報は通常公表されるが、中国外務省はゼレンスキー氏への祝電について確認を避けた。プーチン氏の訪中を控えていたためとの見方がある。
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