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【NQNニューヨーク=戸部実華】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まった。午前9時35分現在は前日比146ドル44セント高の4万6841ドル41セントと、3日に付けた最高値(4万6758ドル)を上回って推移している。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が強く、相場を支えている。

前週発表された雇用関連指標は労働市場の減速を映したとの受け止めから、FRBは10月下旬に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げに動くとの見方が広がっている。このところ人工知能(AI)関連銘柄の上昇も目立つなか、相場上昇に乗り遅れまいとする買いも入りやすい。

もっとも、相場の上値は重い。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日まで7日続伸し、連日で最高値を更新した。主要な米株価指数が最高値圏で推移するなか、短期的な過熱感が意識されやすい。主力株の一角には目先の利益を確定する売りも出ている。

米政府機関の一部閉鎖は7日目に入った。米政権は政府閉鎖が長引けば、政府職員の削減を進める考えも示しており、米経済への影響を巡る不透明感は増している。米連邦政府の予算を巡る協議の動向を見極めたい雰囲気も、買い手控えにつながっている。ダウ平均は小幅に下落に転じる場面がある。

ダウ平均の構成銘柄では、IBMが買われている。AI新興企業のアンソロピックと企業向けAI開発で提携すると7日に発表した。ビザやエヌビディア、ユナイテッドヘルス・グループも高い。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やウォルマート、メルクは下げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。前日につけた最高値(2万2941)を上回って推移している。オープンAIとの提携で前日に急伸した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は連日で買いが入っている。

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