【NQNニューヨーク=田中俊行】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比91ドル99セント(0.19%)安の4万6602ドル98セントで終えた。前週末に最高値をつけるなど短期的な過熱感が意識されるなか、利益確定の売りが出た。ハイテク株の一角に売りが出て、相場全体の重荷となった面もあった。

ダウ平均は200ドルあまり下落する場面があった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日まで7日続伸し、連日で最高値を更新していた。10月に入り主要な株価指数が軒並み最高値をつけるなか、持ち高調整の売りが優勢になった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが2.5%安で終えた。クラウド事業の利益率が市場予想を下回っているとの一部報道を受けて売りが出た。AI関連銘柄として物色されていたオラクル株が下げると、大型ハイテク株や半導体関連株にも売りが波及した。

市場では「株価指標面の割高感を意識する投資家が増えつつあるなか、マイナス材料に反応しやすくなっている」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)との声があった。

米連邦政府の一部閉鎖についての懸念も重荷だった。米ニュースサイトのアクシオスは「ホワイトハウスは一時帰休扱いとなっている政府職員の給与支払いを保証していない」などと伝えた。政府閉鎖がさらに長引けば米景気を下押しするとの警戒感から、投資家のリスク選好姿勢が後退した。

ダウ平均は朝方に上昇する場面があった。米政府閉鎖の影響で雇用関連の経済指標などは発表されていないが、労働市場が軟化しているとして、米連邦準備理事会(FRB)が10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げに動くとの予想は引き続き多い。米金利に低下圧力がかかるとの見方は相場の支えだった。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやマイクロソフト、ナイキが下げた。ゴールドマン・サックスとキャタピラーも下落した。一方、AI新興企業と提携すると発表したIBMは上昇した。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やユナイテッドヘルス・グループが上げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比153.304ポイント(0.66%)安の2万2788.363(速報値)で終えた。廉価版の電気自動車(EV)を発表したテスラに売りが出た。マイクロン・テクノロジーやアプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体関連の下げが目立った。

S&P500種株価指数は8営業日ぶりに反落した。前日比25.69ポイント(0.38%)安の6714.59で終えた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。