ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=田中俊行】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は横ばいで推移している。午前9時35分現在は前日比27ドル17セント安の4万6575ドル81セントだった。米長期金利が前日に比べ小幅に低下し、ハイテク株を中心に押し目買いが先行した。主力株への買いが一巡した後は、ダウ平均は下落に転じる場面もある。

8日朝の米債券市場では長期金利が4.1%近辺と、前日終値(4.12%)から低下している。首相職を暫定的に続けているフランスのルコルニュ氏が、年内の予算成立に向けた与野党の合意形成について明るい見通しを示した。8日の欧州市場でフランス国債が買われたことが米国債にも波及し、米株式相場を下支えしている。

もっとも、ダウ平均の上値は限られている。主要な株価指数は前日に下げたものの、なお最高値圏にある。新たな買い材料が限られる中、株価指標面の割高感を懸念する声もある。主力株の一部には利益確定や持ち高調整の売りが出やすい。

米連邦準備理事会(FRB)は8日午後、9月16〜17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。同会合では9カ月ぶりの利下げを決めた。労働市場が減速する一方で高インフレへの懸念が残り、FRBは難しい政策判断を求められるとの見方は多い。議事要旨で今後の政策運営を見極めたいとの雰囲気がある。

ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが上昇している。米起業家イーロン・マスク氏の人工知能(AI)会社xAI(エックスエーアイ)が200億ドルの資金を調達し、エヌビディアのAI半導体の購入に充てる見通しだとの報道が材料視された。

そのほか、マイクロソフトやキャタピラー、シスコシステムズが上昇している。一方、JPモルガン・チェースやセールスフォース、IBMは下落している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。

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