【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比1ドル20セント安の4万6601ドル78セントで終えた。エヌビディアなど人工知能(AI)向け投資の恩恵を受ける銘柄への物色が活発だった。米連邦政府機関の一部閉鎖が長引く可能性があるなか、消費関連株の一角の下げが指数の重荷となり、下落して終えた。

米起業家イーロン・マスク氏のAI開発企業xAI(エックスエーアイ)が200億ドルの資金を調達し、エヌビディア製画像処理半導体(GPU)の購入に充てると米ブルームバーグ通信が7日報じた。この報道をきっかけにエヌビディアに買いが入った。

エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は8日の米CNBC番組でAIの開発が急速に進み、「過去6か月に演算処理需要が大幅に拡大した」などと述べた。AI投資の勢いが改めて意識され、半導体や半導体製造装置、サーバーなどを手掛ける銘柄、電力関連などが広く買われた。

値がさ株のキャタピラーも上昇し、ダウ平均を支えた。アナリストが目標株価を引き上げたことが材料視された。

ダウ平均は一時200ドル以上上げたものの、次第に上値が重くなり、引け間際に下げに転じた。米政府の一部閉鎖が8日目に入った。ホワイトハウスが一時帰休扱いとなっている一部政府職員の給与支払いを保証しない可能性が浮上している。政府閉鎖が長引けば、消費者心理が冷え込み、米景気を下押しするとの懸念があった。

米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では多くの参加者が年内にさらなる利下げが「適切になる」とみていたことが分かった。一方、数人は政策金利が「特に引き締め的ではない」と追加利下げに慎重で、FRB内で見解の相違があることを示した。

ダウ平均ではIBMやゴールマン・サックス、メルク、アメリカン・エキスプレス(アメックス)などが下げた。一方、シスコシステムズやユナイテッドヘルス・グループ、アマゾン・ドット・コムなどが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比255.015ポイント(1.11%)高の2万3043.378(速報値)で終えた。2日ぶりに最高値を更新し、初めて2万3000台に乗せた。アナリストが目標株価を引き上げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが大幅高だった。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反発した。前日比39.13ポイント(0.58%)高の6753.72(速報値)で終え、2日ぶりに最高値を更新した。

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