欧州連合(EU)の欧州議会は8日、植物由来の原料からつくられた食品に「ステーキ」や「バーガー」などと表記することを禁止する法案を可決した。肉の食感を再現した植物由来のたんぱく質食品が人気になるなか、畜産農家の保護を目的とするものだ。
今後、EUの行政を担う欧州委員会や加盟国での協議が予定されているため、実際に表記が禁止されるかは不明だ。
法案では「食肉関連の用語は、文化的・歴史的意義がある」と指摘。食肉関連の用語を保護し、食品の栄養成分に関する市場での透明性を高めるため、食肉の定義を厳格にすることが必要だとした。
法案では「肉」とは動物の食用部分を指すと定義。「ステーキ」、「バーガー」、「ソーセージ」などの用語は肉を含む製品のみに使用を認めるとした。法案は欧州議会中道右派の「欧州人民党」(EPP)のフランス選出の議員が主導した。
英BBCなどによると、欧州では健康や環境保護のため、大豆ミートなど植物由来の原料を使った代替肉を選ぶ人が増えている。
ドイツの大手スーパー複数社は9月、欧州議会の法案に反対する書簡を提出。「よく知られた用語の使用を禁止すると、企業は販売が著しく困難になる」と訴えた。
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