投票するカメルーンのビヤ大統領(12日、首都ヤウンデ)=AP

【ヤウンデ=共同】アフリカ・カメルーンで12日、大統領選が実施された。8期目を目指す世界最高齢の国家元首ポール・ビヤ大統領(92)が再選されるかどうかが焦点。年齢に伴う健康不安への懸念が根強いが、野党候補が約10人乱立しているため優勢との見方が広がっている。結果は2週間程度で判明する見通し。

ビヤ氏は1982年に前任者の引退に伴い大統領に就任。2008年の憲法改正で無制限の再選が可能となり、アフリカ有数の長期政権を築いた。22年にエリザベス英女王が死去したことで世界最高齢の元首となった。今回勝利すれば、7年の任期に臨むことになる。

ビヤ氏は12日、首都ヤウンデにある投票所を訪れた。ゆっくりと投票箱に歩み寄り、票を投じた後は拍手しながら笑顔を見せた。記者団に「結果が出るのを待とう」と話し、余裕を示した。

欧米メディアによると、ビヤ氏は公の場にめったに姿を現さないことで知られる。選挙戦では人工知能(AI)が生成した宣伝動画を配信し、7日に北部で開かれた集会の1度だけしか演説しなかった。かつて政権内にいた腹心の離反も相次いでおり、求心力の低下が指摘されている。

カメルーンは大西洋に面し、人口約2900万人。原油やカカオなどの1次産品に頼る経済構造が課題となっている。汚職や若年層の高失業率も深刻で、野党候補からは「長年の強権的な統治による弊害だ」との批判が上がっている。

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