【NQNニューヨーク=矢内純一】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前週末比587ドル98セント(1.29%)高の4万6067ドル58セントで終えた。前週末に強まった米中の貿易摩擦に対する警戒が一服し、主力株を買い直す動きが広がった。ダウ平均の上げ幅は670ドルを超える場面があった。

トランプ米大統領は12日、自身のSNSに「中国については心配いらない。すべてうまくいく」と投稿した。10日には中国が大規模な輸出規制を検討していると主張し、その対抗措置として中国の輸入品に対する関税を100%上乗せする方針を示していた。

米中貿易摩擦への警戒からダウ平均は前週末に878ドル下落し、1カ月ぶりの安値を付けていた。市場では「トランプ氏は株価動向を気にかけており、市場参加者を安心させようとしている」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との指摘があった。

ベッセント米財務長官は13日朝の米FOXビジネスのインタビューで、調整中の米中首脳会談が予定通り行われるとの認識を示した。週内に米中の事務レベルの協議を行うことも明らかにした。米中対立が激しくなることへの懸念が和らいだ。

13日はコロンバスデーの祝日で米債券・外為市場が休場だった。株式市場でも取引量が減り、値動きが大きくなりやすかったとの指摘もあった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のブロードコムが9.8%高で終えた。オープンAIと人工知能(AI)向け半導体を共同開発すると13日朝に発表し、材料視された。AI分野の需要の底堅さが改めて意識され、他のハイテク株に買いが波及した面があった。

ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスやナイキ、キャタピラーが上昇した。セールスフォースやエヌビディアも買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やメルクが下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末比490.178ポイント(2.20%)高の2万2694.608(速報値)で終えた。テスラやアルファベットが上昇した。前週末に下げが目立ったマイクロン・テクノロジーなどの半導体株も買われた。

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