
【ソウル=小林恵理香】韓国メディアは17日、村山富市元首相の死去を報じた。村山氏が首相在任中に発表した「村山談話」を振り返る内容が並んだ。大手紙・中央日報は「日本の首相として初めて過去の植民地支配を『侵略』と認めた」と紹介した。
村山談話は過去の植民地支配と侵略行為への反省と謝罪に触れた。聯合ニュースは「当時の日本政府の雰囲気を考慮すれば、一歩進んだものだった」と説明した。韓国国内で「日本の率直な謝罪が盛り込まれたという評価を受けている」とも指摘した。
大手紙・東亜日報は村山談話の発出が1998年の小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領(当時)による日韓共同宣言の土台になったと記した。元慰安婦に「初めて直筆署名の謝罪手紙を送った日本首相だ」と紹介した。
村山政権は阪神大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生するなど大型の事件・事故が続いた時期だったとも伝えた。
韓国メディアは村山氏が世襲の政治家ではないことにも注目した。政界引退後には自転車に乗ってあちこちを移動していたなどのエピソードを紹介し、質素な生活ぶりだったとも報じた。
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