【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)は20日、外相理事会をルクセンブルクで開いた。ウクライナ侵略を続けるロシアからの液化天然ガス(LNG)輸入を2026年末までに全面停止することを柱とする19回目の制裁強化案について協議する予定だ。ロシアへのエネルギー依存度が高いハンガリーとスロバキアの歩み寄りが焦点となる。
外相理事会と並行して開かれたエネルギー相理事会では、欧州委員会が5月に提案した、パイプライン経由を含むロシア産ガスの輸入を27年末までに全て停止する計画が承認された。ロイター通信によると、EUのガス輸入に占めるロシア産の割合は22年のウクライナ侵略前は45%に上っていたが、現在も12%を占める。
9月以降、ロシアの無人機(ドローン)などによるEU加盟国への領空侵犯が相次いだため、緊張が高まっている。欧州委員会は先週、26年中に「欧州ドローン防衛構想」の初期運用開始を目指すと発表しており、外相理事会では実施に向けた意見交換も行われる。
ドローン防衛構想ではレーダー網を整備して侵入を早期覚知することや、無人機を効率的に排除する方策の確立が目指されている。安価な無人機を撃墜するのに最新鋭戦闘機を投入するのではなく、電波妨害(ジャミング)や機関銃での迎撃など費用対効果が高い手法の導入を目指し、実戦経験の豊富なウクライナの全面的な協力を受けて進めていく方針だ。
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