
【NQNニューヨーク=田中俊行】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前週末比211ドル92セント高の4万6402ドル53セントで推移している。米連邦政府の一部閉鎖が近く終わるとの観測が買いを誘った。米中貿易協議が続き対立激化が避けられるとの思惑も支えになっている。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は20日の米CNBCの番組で、米政府機関の一部閉鎖は「今週中に終わる可能性がある」と語った。市場では政府閉鎖の長期化が消費者心理を冷やし、米景気に悪影響を与えるとの警戒があった。閉鎖が解除されれば、目先の不透明感が払拭するとの見方から、株式に買いが入っている。
米中の貿易摩擦を巡る過度な懸念は後退している。ベッセント米財務長官は米東部時間17日夜、中国の何立峰(ハァ・リーファン)副首相と貿易問題について「率直かつ詳細」に議論したと明かした。両氏は今週にも対面で協議する方針だといい、米中対立の深刻化に歯止めがかかるとの観測が株式相場を支えている。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は17日、「トランプ米大統領はこの数週間で多数の製品に対する相互関税を免除し、貿易協議で妥結した際に数百もの製品への適用除外を申し出た」と報じた。政権内では、米国で生産していない製品への関税を下げるべきだという機運が高まっているためだという。
ダウ平均の構成銘柄では、アップルやセールスフォース、ユナイテッドヘルス・グループが上昇している。20日にクラウドサービスで大規模な障害が発生したと報告されたアマゾン・ドット・コムも高い。一方、アメリカン・エキスプレス(アメックス)やコカ・コーラ、ビザが安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。
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