
【NQNニューヨーク=横内理恵】220日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前週末比515ドル97セント(1.11%)高の4万6706ドル58セントだった。貿易問題を巡る米中の対立が緩和に向かうとの見方が広がった。米連邦政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの思惑も買いを誘った。
米中貿易摩擦への警戒が後退している。トランプ米大統領は20日、記者団に対して改めて中国との関係が良好だとして、貿易協定締結への楽観的な見方を示した。10月末に韓国で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議とあわせて習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談し、来年にも訪中する可能性を示唆した。
ベッセント米財務長官は米東部時間17日夜、X(旧ツイッター)で中国の何立峰(ハァ・リーファン)副首相と議論し、今週にも対面で協議すると明かした。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制を巡って、米政権は反発していたが、トランプ氏が前週末に対立姿勢を和らげていた。
米政府の一部閉鎖についてハセット米国家経済会議(NEC)委員長が20日のCNBCの番組で「今週中に終わる可能性がある」との見解を示した。週内につなぎ予算が成立しなければ、トランプ政権は野党民主党などへの圧力を強めるという。政府閉鎖が解除されれば、米景気の先行きに対する不透明感の払拭につながる。
アップルが上場来高値を更新したことも市場心理を強気に傾けた。9月に発売した「iPhone17」シリーズの販売が好調との報道で収益改善への期待が高まった。月内には複数の主要なハイテク企業による四半期決算の発表があり、業績期待からの買いも入った。
地銀の信用不安もひとまず収まっている。前週に融資に関する不正を巡って訴訟を起こしたと明らかにしたザイオンズ・バンコーポレーションとウエスタン・アライアンス・バンコープの株価はともに20日も上昇し、地銀株で構成される上場投資信託(ETF)も続伸した。
そのほかのダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースの上昇が目立った。メルクやユナイテッドヘルス・グループも上げた。一方、ウォルマートやホーム・デポが下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。終値は前週末比310.568ポイント(1.36%)高の2万2990.543(速報値)だった。アナリストが目標株価を引き上げた半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が高い。週内に決算発表予定のネットフリックスやインテルの上げも目立った。
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