
▼中国の5カ年計画 中国共産党が定める今後5年間の経済・社会の運営方針。計画経済体制にあった1953年、旧ソ連にならって策定を始めた。「改革開放」によって市場経済を取り入れた後も、党指導部が重視する政策を明確にし、地方政府などが中長期の目線で戦略分野に投資しやすくする役割を果たしてきた。

選挙がない中国では計画に沿った国の発展が共産党にとって統治を続けるために重要だ。中国国営中央テレビ(CCTV)は10月上旬、現行計画のもと暮らしがどれだけ豊かになったかを国民が語る街頭インタビューを繰り返し流した。国民がインターネットで民主主義国の現状を簡単に知ることができる現代において、共産党が自らの正統性を訴える5カ年計画の重みは増している。
国内で計画が絶対視されて各種の政策を軌道修正するのが難しくなり、幅広い分野で過剰生産・供給の温床になっている側面もある。例えば高速鉄道は計画に沿って拡大を続け、営業路線は2025年末までに5万キロメートルに達する見込み。利用者の伸びが追いつかず、国有運営会社の負債総額は6兆元(約128兆円)を上回っている。
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