
【イスラマバード=共同】パキスタンのタラル情報・放送相は29日、アフガニスタン国境地帯での武力衝突の停戦維持に向けイスラム主義組織タリバン暫定政権とトルコで開いていた協議が決裂したことを明らかにした。今月に入り激化した衝突はカタールとトルコの仲介で即時停戦に合意したが、維持されるのかどうか不透明だ。
協議は停戦を確実にするため、25日からトルコで開かれていた。
タラル氏はX(旧ツイッター)で「解決をもたらすのに失敗した」と表明。国民を守るため「テロリストと聖域を破壊するあらゆる措置を取る」とした。イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」などの越境テロ対策を訴えるパキスタンは、TTP拠点としてアフガン領内を空爆してきた。空爆を再開すれば、衝突が再燃しそうだ。
タラル氏は越境テロ拠点としてアフガンを使わせないよう強く求めたが「残念ながらアフガン側は保証しなかった」と説明した。治安当局筋は、タリバンが合意文書署名を避けたとしている。
アフガン民放トロテレビ電子版は28日、関係筋の話として「パキスタンが協議から立ち去った」と報じた。アフガン側は領土をパキスタンに対抗するためには使わせないとした一方、領空侵犯をやめるよう要請したが、拒否されたとしている。
地元メディアなどによると、パキスタンによる9日のアフガン空爆に対し、暫定政権は11日に国境地帯の複数地点で報復攻撃。パキスタンが応戦し、その後も衝突が続いた。双方に多数の死傷者が出たとみられる。15日に一時停戦入りし、19日までにカタールでの協議で即時停戦に合意した。
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