イスラエルの攻撃で破壊されたガザの住宅を歩く子供(29日)=ロイター

【エルサレム=共同】パレスチナのイスラム組織ハマスは30日、自治区ガザの和平計画「第1段階」の合意に基づき、人質2人の遺体をイスラエルに引き渡した。首相府が発表した。ガザに残る遺体は11人になった。

ハマスはイスラエル軍の攻撃後も合意順守の姿勢を示すが、遺体や武器などの「切り札」がなお手元にあると揺さぶりをかけている。

合意でハマスは遺体を含む人質48人全員を13日までに引き渡すことになっていた。イスラエルはハマスが遺体の所在を把握しながら収容していないとし「合意違反」だと主張する。ただ戦闘で荒廃したガザでは遺体ががれきに埋もれるなど収容困難なケースもある。

ハマス幹部は30日、中東メディアのインタビューで、イスラエルが「故意に停戦を破り、戦争を引き起こそうとしている」と批判した。イスラエル軍は28〜29日、部隊が攻撃を受けた報復としてガザ全域を攻撃し、100人以上が死亡した。

一方、米ニュースサイト、アクシオスは30日、米国が数週間以内にガザの治安維持を担う国際安定化部隊の設置計画を発表する見通しだと伝えた。部隊は和平計画「第2段階」で設置が見込まれる。

イスラエルはガザ攻撃を繰り返し批判するトルコの参加を拒否しているが、米国は、ハマスを説得できるのはトルコとエジプトだと主張。インドネシアとアゼルバイジャンも参加に意欲を示している。

イスラエルのネタニヤフ首相は30日の演説で、国際安定化部隊がハマスの武装解除を実現できなければ「われわれがやる」と強調した。

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