ボリウッドの名で知られるインド映画産業の中心地ムンバイで、「オーディション」と偽って集めた15歳以下の子ども17人を含む19人を人質にとり、武器を持った男が撮影スタジオに立てこもる事件が起きた。インドメディアが報じた。男は通報を受けて踏み込んだ警察に胸を撃たれて死亡し、人質は全員救出された。

 現地紙タイムズ・オブ・インディアによると、事件が起きたのは10月30日。男は自作の「台本」を用意し、オーディションの最終日に人質のシーンがあると参加者に信じ込ませていた。救出された際、子どもたちは両手を縛られ、口をテープでふさがれるなどしていたが、「人質シーンの撮影だと思っていた」と話したという。

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 現地報道によると、男は短編映像の制作者として活動。事件前に公開した動画で、「道徳的な要求のため、特定の人と話したい」と述べ、そのために人質をとると話していた。「道徳的な要求」の具体的な内容はわからなかった。

 だが、男が数年前にムンバイがあるマハラシュトラ州政府教育省のプロジェクトに関わった際、報酬が支払われなかったことに抗議していたことが判明したといい、報酬を取り戻すために人質事件を起こしたと見られている。州政府側は、問題はなかったと説明している。

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