アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は8月15日、アメリカのアラスカ州で首脳会談を行う予定で、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢をめぐって協議します。

これを前に、13日にドイツが主催してオンラインで会合が開かれ、イギリスやフランスなどヨーロッパの6か国の首脳とウクライナのゼレンスキー大統領、トランプ大統領などが参加しました。

会合のあと、ゼレンスキー大統領は記者会見を開き「領土の一体性に関するいかなる問題もウクライナを無視して議論することはできない」と述べ、ウクライナ抜きに交渉が行われないよう改めてくぎを刺しました。

一方、トランプ大統領は、首都ワシントンで記者団に対し「1回目の会談がうまくいけば、すぐに2回目の会談を開くだろう。その際にはプーチン大統領とゼレンスキー大統領、そして私を呼びたいのであれば私も参加する形で行う」と述べ、今回の会談の結果しだいでロシアとウクライナの首脳会談または自身も含めた3者会談が開かれる可能性に言及しました。

そのうえで、今回の会談でロシアが停戦に応じない場合、どうなるのかという質問に対し、具体的な対応には触れなかったものの「非常に深刻な結果が生じるだろう」と述べ、ロシアをけん制しました。

トランプ大統領は、今回の会談を通してプーチン大統領にウクライナの民間人を標的とするのをやめるよう説得できると思うかとも問われ「これまでいい会話をしても、その後帰宅するとロケット弾が高齢者施設やアパートに命中するのを見てきた。答えはノーだと思う」と述べ、過度な期待は持たずに会談に臨む姿勢を示したとみられます。

仏大統領 “トランプ氏 領土問題はウクライナ大統領のみ交渉”

フランスのマクロン大統領は、会合のあと記者団に説明を行いました。

この中でマクロン大統領は「トランプ大統領は、ウクライナが管轄する領土の問題は、ウクライナの大統領によってのみ交渉されうると明確に表明した」と述べました。

また、マクロン大統領によりますと、トランプ大統領は、ウクライナによる領土をめぐる「譲歩」とウクライナに提供される「安全の保証」が不可分だという点も明確にしたということです。

ただ、NATO=北大西洋条約機構が安全の保証の一部となるべきではないとして、ウクライナのNATO加盟には反対する姿勢を示したとしています。

石破首相 “ウクライナでの早期停戦 平和実現へ結束すべき”

石破総理大臣は、欧米やウクライナの首脳などとのオンラインの会合に参加しました。

石破総理大臣は「ロシアによる侵攻に日々対じしているウクライナの人たちに改めて敬意と連帯を表す」と述べました。

その上で、ウクライナでの早期の全面停戦と公正かつ永続的な平和の実現に向けて結束して対応すべきだと訴え、こうした目標を実現するためのアメリカのトランプ大統領の取り組みを支持する考えを示しました。

そして、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領の首脳会談が予定されていることを踏まえ、プーチン大統領に前向きな対応をとるよう求めると強調しました。

さらに「ウクライナで起きていることは東アジアでも起こり得る」と述べ、国際秩序が揺らぐことに強い危機感を示すとともに、ロシアと北朝鮮の軍事協力の進展に深刻な懸念を表明しました。

また、日本として国際社会と連携しながらウクライナへの支援を継続する方針を伝え、官民が一体となって復旧・復興に向けた取り組みを推進していく考えを示しました。

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