ニューヨーク証券取引所

【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比417ドル20セント安の4万6919ドル48セントで推移している。人工知能(AI)関連銘柄や相場の割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが先行した。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、AI銘柄であるデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが一時10%あまり下げた。前日夕に市場予想を上回る好決算と売上高見通しを発表したにもかかわらず、バリュエーション(投資尺度)の高さが指摘されている。株価は前日までに昨年末から2.7倍ほどに膨らんでいた。

米株式相場はAI銘柄が押し上げる形で最高値圏で推移してきた。パランティアが大幅に下げるなか、他のAI関連銘柄にも売りが波及している。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどが下げている。

ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)とモルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOが4日、ともに株式相場が10%以上調整する可能性に言及したと複数のメディアが報じた。米株相場の過熱感や割高感がすでに意識されていたなか、大手金融の首脳陣の発言も市場心理の重荷となっている。

米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が後退していることも株価の重荷だ。パウエル議長は前週の記者会見で、12月の会合の政策判断を巡って内部の意見が割れていると強調。3日にはクック理事が「12月を含めてどの会合も(データ次第で判断が変わる)ライブの会合だ」と話していた。

そのほかの個別銘柄ではキャタピラーやボーイング、IBMが売られている。半面、トラベラーズやマクドナルド、コカ・コーラは上げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して始まった。テスラやアルファベットなどが下落している。

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