キリスト教でも宗派間では政治的見解が大きく異なる(フロリダ州)

【ワシントン=野一色遥花】米国で宗教の存在感が高まっているようだ。民間調査によると、日々の暮らしに宗教が与える影響が「強まっている」と回答した比率が31%と、2006年以来19年ぶりの高水準になった。

米調査会社ピュー・リサーチ・センターが2月3〜9日に実施した調査結果を10月に公表した。調査は2002年以来、数年に一度実施している。

宗教の影響力が「弱まってきた」との回答は68%で前年同期比12ポイント低下し、9年ぶりの低水準となった。

「宗教の影響力が強まっている。良いことだ」(17%)と「宗教の影響力が弱まっている。悪いことだ」(42%)など、回答者の6割が宗教の影響拡大に好意的だった。影響が広がることに否定的な考えの割合は2割にとどまった。

共和党支持者は宗教の影響拡大に78%が好意的、民主党支持者は40%が好意的だった。トラン米大統領の支持層とされるキリスト教福音派の白人の80%は「自身の信念と米国の主流の価値観との間に溝を感じる」と回答していた。

米シンクタンクのアスペン研究所のジョシュ・グッド氏は「トランプ氏らによる過激な発言や行動によって米国内の人々の対立が深まっている。宗教など自らの思想信条を主張し、広まりやすい風土となった影響が大きい」と分析する。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。