
【ニューヨーク=佐藤璃子】全米不動産協会(NAR)が21日発表した7月の中古住宅販売件数は401万戸(季節調整済み、年率換算)となり、前月から2.0%増えた。ダウ・ジョーンズがまとめた市場予想(391万戸)では前月比減少が見込まれていたが、2カ月ぶりに増加に転じた。販売価格の上昇一服が需要を支えた。
販売件数は、前年同月比では0.8%増加した。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅の値ごろ感がわずかに改善されたことが、販売増加につながった」と指摘。賃金の伸びが住宅価格の伸びを上回っていることがプラスに働いているとの見方を示した。

販売価格(中央値)は前年同月比で0.2%上昇し42万2400ドル(約6200万円)だった。前月比では2.4%下落し、6カ月ぶりに前月比マイナスとなった。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が公表する直近の30年物固定住宅ローン金利は週平均で6.58%と、4週連続で低下している。
米ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅ローンの緩やかな低下が販売活動を押し上げるだろう。しかし、市場の本格回復にはより持続的な金利低下が必要であり、2026年まで遅れる見通しだ」と分析する。
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