
ガザ地区で続くイスラエルとハマスの戦闘をめぐっては今月18日、仲介国が示した停戦案にハマスが同意し、イスラエル側の対応が焦点となっていました。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は21日「直ちに交渉を始めるよう指示した」と述べ、ハマスが同意した停戦案について協議する意向を初めて示しました。
ただ、停戦案では、ハマスが一部の人質を解放するとされているのに対し、ネタニヤフ首相は全員の解放を求めるなど、双方の主張に隔たりがあり合意につながるかは不透明です。
ネタニヤフ首相は協議する意向を示す一方で、ガザ地区最大の都市ガザ市の制圧とハマスの打倒に向けて、軍が示した作戦計画を承認する考えも示しました。
この作戦をめぐっては、人質の家族らが「人質を危険にさらす」として反対するなど、国内でも非難の声が上がっていますが、ネタニヤフ首相は「人質全員の解放とハマスの打倒は密接に関連している」と述べ、軍事的な圧力を緩めない姿勢を強調しました。
人質の親族「停戦案に今すぐサインを」

ガザ地区で拘束されているイスラエル人の人質の家族などで作るグループが21日、会見し、ガザ市の制圧などに向けた作戦の影響で人質の命が失われる前に、停戦案に同意するようイスラエル政府に求めました。
このうち、ガザ地区周辺の集落から連れ去られた30代の人質の親族は「停戦案に今すぐサインしなければならない。人質の解放と戦争の終結がイスラエルの未来を確かなものにし、家族の癒やしや兵士の帰還を可能にする」と訴えました。
イスラエルでは、政府がガザ市の制圧などに向けて軍事作戦を拡大するとした方針に対し、抗議の声が広がっています。
最大の商業都市テルアビブで今月17日に行われたデモには、主催者の発表で50万人近くが参加しました。
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