欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は6日、金融派生商品(デリバティブ)に関する競争を制限していた疑いがあるとして、フランクフルト証券取引所などを傘下に持つドイツ取引所と、米ナスダックについて、EU競争法(独占禁止法)に基づく調査を開始したと発表した。

 欧州委は発表で、ドイツ取引所とナスダックの関連会社が、EU加盟国にノルウェーなどを加えた「欧州経済領域(EEA)」内で、特定のデリバティブの上場・取引・清算について、競争しないよう取り決めていた可能性があると指摘した。

 また、両社が需要配分や価格調整、商業上の機密情報の交換を行っていた疑いも示した。

 これらの行為が裏付けられれば、独占禁止法で定めるカルテルや制限的な商慣行に該当する可能性がある。欧州委は「公正で開かれた単一市場の実現に向け、金融市場の競争確保は不可欠」とし、優先課題として調査を進めるという。

 欧州委は昨年9月、両社に対して立ち入り検査を実施していた。調査に期限はなく、事案の複雑性や企業側の協力状況によるという。

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