洪水被害を受けた住宅で座り込む被災者(6日、セブ島)=ロイター

【マニラ=時事】フィリピン災害対策当局は7日、同国を通過した台風25号による死者数が188人に達したと発表した。依然として135人が行方不明で、負傷者も多数出ている。

現地メディアによると、被害が最も大きかった中部セブ州では24時間で1カ月分を超える雨量を記録。大規模な洪水や地滑りにより、139人が犠牲となった。

マルコス大統領は7日、リゾート地として知られる同州セブ島を訪れ、洪水で損壊した橋や避難所を視察。記者団に対し、「遺族が立ち直れるよう支援し、損失を補うためにできる限りのことをする」と述べ、自宅が損壊した被災者に給付金を支給すると表明した。

被災地を視察したマルコス大統領㊧(7日、セブ島)=大統領府提供・AP

フィリピンでは今年、洪水対策事業を巡る汚職が相次ぎ明らかになった。台風被害の拡大を受け、国民の間で汚職への批判が高まっている。

一方、6日にはマリアナ諸島付近で台風26号が発生。フィリピンに向かって海上を西に進んでおり、政府は自治体に警戒を呼び掛けている。

台風25号は南シナ海を経由し、7日までにベトナムを横断。同国政府によると、少なくとも5人が死亡した。

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