ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=三輪恭久】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比222ドル31セント安の4万6689ドル99セントで推移している。ハイテク関連を中心に株式の割高感が強まっているとの警戒が根強く、売りが先行している。

米株式相場の上昇をけん引してきた人工知能(AI)関連の銘柄の一部には割高感が出ているとの見方がある。AI向け投資の収益性をめぐる懸念も意識されている。主力企業の四半期決算の発表が一巡し、積極的に買いを入れる材料が少なく、持ち高調整や利益確定の売りが出やすい。

主力銘柄ではエヌビディアが下落している。台湾を訪問しているジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が先端半導体「ブラックウェル」の対中輸出をめぐり「今のところ議論はない」と語ったとロイター通信が7日報じた。ほかの輸出計画もないといい、中国向け輸出に対する不透明感から売りが出ている。

米連邦政府機関の一部閉鎖が長期化し、ほとんどの政府統計の発表が延期されている。米国の各州が公表したデータをもとに民間が推計した週間の米新規失業保険の申請件数は前の週から増加した。労働市場が軟化しているとの見方が、株式相場の重荷となっている面もある。

そのほかの個別銘柄ではキャタピラーやゴールドマン・サックス、IBMが下落している。セールスフォースとアマゾン・ドット・コムも安い。一方、シェブロンとコカ・コーラ、マクドナルドが上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。テスラが下落している。前日に開いた定時株主総会でイーロン・マスクCEOに対する最大1兆ドル規模の報酬案が承認されたが、材料の出尽くし感から売りが先行している。

データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが4日続落している。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムといった半導体株も安い。

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