米政府閉鎖が長引くなか、消費者の懸念は広がっている=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】米ミシガン大が7日発表した11月の消費者態度指数(速報値)は50.3と、前月の確報値(53.6)から3.3ポイント低下し、4カ月連続で前月比マイナスとなった。前年比約9%のインフレ上昇率を記録した2022年6月以来、3年5カ月ぶりの低水準となる。米政府閉鎖の長期化が消費者心理に影を落とし始めている。

消費者態度指数はダウ・ジョーンズまとめの市場予測(53)を下回った。「現在の景況」を示す指数は52.3と前月から6.3ポイント下落し、「今後の見通し」は49と同1.3ポイント低下した。

ミシガン大の調査担当のジョアン・シュー氏は「政府閉鎖が1カ月以上続いていることを受け、消費者は経済への悪影響を懸念し始めている」と指摘した。「今月の景況感の低下は、年齢や所得、政治的所属を問わず、人口全体に広く見られた」とも述べた。

政府閉鎖による経済への悪影響は広がっている。米運輸省は無給となっている空港職員の負担軽減のため、米国の40の主要空港の運航を最大1割削減する考えを示した。米国版の生活保護制度にあたる補助的栄養支援プログラム(SNAP)も資金の枯渇で支給を巡る混乱が続いている。

一方、シュー氏によれば、例外的に景況感が11%上昇したのは株式保有額が上位3分の1を占める消費者だった。米株式市場の堅調さに支えられていることが大きいと分析した。

短期的な物価見通しを示す1年先の予想インフレ率は4.7%と前月から0.1ポイント上昇した。より長期的な5年先の予想は3.6%と同0.3ポイント低下した。米連邦準備理事会(FRB)が物価目標とする2%をいずれも上回っている。

米消費者物価指数(CPI)は22年6月に前年同月比9.1%上昇と高いインフレ率を示していた。25年9月は3%上昇だった。

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