
【パリ=北松円香】仏自動車大手ルノーのルイ・シュバイツァー元会長が6日、死去した。83歳だった。1992年から2005年に同社の会長と最高経営責任者(CEO)を務めた。1999年の日産自動車との提携やルーマニアの自動車メーカーのダチアの買収、国有企業だったルノーの民営化など、現在の同社の経営を支える基礎を築いた。
仏AFP通信が7日、同氏の家族の話として死去を報じた。ルノーのドミニク・スナール会長は7日付の声明で「ルノーグループの近代化と国際化に貢献した」と指摘し、「先見の明を持つ大胆なリーダー」だったとたたえた。
シュバイツァー氏は1942年にスイスのジュネーブで生まれた。仏エリート校のパリ政治学院や国立行政学院(ENA)を経て、1984年から86年に当時のロラン・ファビウス首相の官房長官を務めた。
86年に国有企業だったルノーに最高財務責任者(CFO)として入社し、その後CEO兼会長に就任した。98年に日産に提携を打診したことが今日に続く両社の協力体制のきっかけとなった。日産改革のためにカルロス・ゴーン氏を最高執行責任者(COO)として派遣したのもシュバイツァー氏の決断だった。
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