トランプ大統領 “2週間以内に方向性” ウクライナ情勢めぐり
ゼレンスキー大統領 “ロシアと首脳会談の用意ある” 改めて強調
3年前のノルドストリーム爆発 ウクライナ国籍の男を逮捕
北朝鮮 キム総書記 ロシア派遣の戦死者たちを表彰「英雄だ」
ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による直接会談に向けて、アメリカやヨーロッパ各国も交えて調整が進められていますが、ロシア側はみずからの立場を尊重するようけん制を続けています。こうした中、アメリカのトランプ大統領は21日、キリスト教系のラジオ番組に出演し、ウクライナ情勢について「この地域に平和はもたらされるのか」と質問されたのに対し、「どうなるかは2週間以内に答えられると思う。その後は、違う取り組み方をしなければいけないかもしれないが、様子を見てみよう」と述べました。
トランプ大統領は、みずからのSNSに、先にアラスカ州で行ったプーチン大統領との会談の際に撮影された、人さし指をプーチン大統領の胸元に突きつけている写真を投稿しました。写真についての説明はありませんが、冷戦のさなかに、当時のニクソン副大統領が旧ソビエトの指導者フルシチョフに対して同じようなしぐさをとった写真と並べて投稿していることから、欧米メディアは、「ロシア寄りだ」とされる批判への反論だとの見方も伝えています。
ウクライナ情勢をめぐっては、アメリカのトランプ大統領が、ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領の直接会談に向け調整を始めたと明らかにしています。こうした中、複数のウクライナメディアは21日、ゼレンスキー大統領の記者団への発言内容を報じました。このなかでゼレンスキー大統領は、プーチン大統領との会談に臨む用意があると改めて強調し、ロシア側が拒否した場合は、アメリカに追加の制裁などで圧力を強めるよう求める考えを示しました。また、開催地にはヨーロッパの中立的な立場の国が妥当だとの認識を示し、スイスやオーストリアを挙げたということです。このほか、トルコでの開催にも前向きな姿勢を示し、一部メディアが報じているハンガリーでの開催には否定的な考えを示しました。
ロシアのラブロフ外相は21日の記者会見で、欧米がウクライナへの「安全の保証」を検討していることについて、「完全な拒否以外の感情を抱くことができない」と述べ、ロシアの立場を尊重するよう重ねてけん制しました。
2022年9月、ロシアからバルト海を経由してドイツなどヨーロッパに天然ガスを送るパイプライン、ノルドストリームで爆発が起き、ドイツの連邦検察庁が捜査を続けています。事件をめぐって、欧米のメディアはウクライナやロシアなどが関与した可能性を伝えていますが、真相は明らかになっていません。こうしたなか、ドイツの連邦検察庁は21日、事件に関与したとして破壊活動などの疑いで逮捕状が出ていたウクライナ国籍の男が、イタリアで現地当局に逮捕されたと発表しました。それによりますと、この人物はパイプラインに爆発物をしかけたグループの調整役とみられ、ほかのメンバーとともに、偽造された身分証明書を使ってヨットを借りたとされています。ドイツのフービッヒ法相は会見を開き、ウクライナを支援する立場は変わらないとした上で、真相究明を進める方針を強調しました。一方、ロイター通信は、ウクライナ政府の当局者が改めて事件への関与を否定したと報じています。
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは22日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が、首都ピョンヤンで開かれた、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに派遣した「海外作戦部隊」の初めての国家表彰式に出席したと伝えました。キム総書記は、戦死者の遺影の前で兵士たちに勲章を授与したほか、遺族を慰めました。
キム総書記は演説し、ロシアへの派兵を正当化した上で、「遺体も残せない自爆の道をためらわず選び、指揮官に飛んでくる凶弾を進んで防いだ」と述べましたが、具体的な死傷者の人数については言及しませんでした。その上で「彼らは英雄中の英雄だ」などとたたえ、今後、ピョンヤンに記念館や記念碑を建てることを明らかにしました。一方で、キム総書記は、敵対国の軍事挑発に対処するため戦力を強化し、戦争の準備を完成させなければならないと主張しました。韓国の情報機関はことし4月、これまでに死者600人を含むおよそ4700人の死傷者が出たとの分析を明らかにしていて、北朝鮮指導部としては、戦死者たちを表彰することで内部の結束を図るねらいがあるとみられます。
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