ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=稲場三奈】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前週末比275ドル61セント高の4万7262ドル71セントで推移している。米連邦政府機関の一部閉鎖が解除に向けて前進したとの見方が投資家心理を支えている。

米連邦議会上院の与野党議員らは9日、失効した予算を再開するつなぎ予算案を採決するための動議を可決した。10月1日に始まり過去最長を記録している政府閉鎖は解除に向けて前進したとの受け止めが広がった。

政府閉鎖が米景気の下押しにつながるとの懸念が後退し、前週に売りが目立っていたハイテク株を中心に買い直す動きがある。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが一時前週末比4.7%高をつける場面がある。アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどにも買いが入っている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、デルタ航空やユナイテッド航空ホールディングスが高く始まった。閉鎖が解除されれば米主要空港での運航が改善するとの見方から買いが入っている。ダフィー米運輸長官は7日に「減便は最大20%になる可能性がある」と語っており、11月下旬の大型連休にも影響が及ぶとの懸念が広がっていた。

その他のダウ平均の個別銘柄では、ゴールドマン・サックスやキャタピラー、IBMが高い。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やシェブロン、コカ・コーラは売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。上昇率は一時2%を上回った。

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